毎日の仕事の中で、「この作業、意味あるのかな…」「もっと効率よくできる方法はないの？」と感じる瞬間は少なくありません。
特に営業職・企画職・マーケティング職などでは、情報整理・メール対応・関係部署とのやり取りなど、見えない業務が積み重なり、本来注力したい仕事が後回しになりがちです。
そんな“日常の非効率”を根本から改善するために注目されているのが、ABM（アカウントベースドマーケティング）です。
ABMという言葉だけ聞くと「マーケティング手法？」と思うかもしれませんが、その本質はもっとシンプル。
「ムダな仕事をなくし、本当に価値のある仕事に集中するための働き方改革」といっても過言ではありません。
今回は、ABMがどのように業務効率化に役立つのか、現場のストレスを減らすのかを、わかりやすく解説します。
ABMとは？──ターゲットを絞るだけで業務は一気に軽くなる
ABM（Account Based Marketing）は「狙う企業（アカウント）」を最初に絞り込み、その企業に向けて時間と労力を集中する手法です。
従来のように“数で勝負”する営業・マーケティングでは、問い合わせの薄い企業にも対応したり、返信のないメールを大量に送り続けたり、膨大な資料作成に追われたりと、業務が分散してしまいがちです。
ABMでは、その“分散”をなくすことで、業務負担を大幅に軽減できます。
- 広く浅く投げるメール→優先企業にだけ必要な内容を送る
- 断られる可能性の高いアポ→狙う企業を絞り精度の高い打ち手に
- 膨大な顧客管理→重要企業だけに情報を整理・蓄積
つまり、ABMは「やらなくていい仕事を減らす技術」ともいえるのです。
業務効率化に効く！ABMがもたらす3つの変化
① 無駄なタスクが“自動的に”減る
仕事が忙しくなる本当の理由は、「やる必要のない仕事」に時間が奪われるためです。
ABMでは、最初の設計段階で狙う企業を明確にし、その他の企業への対応を最小限に抑えます。
そのため、たとえば以下のような業務が一気に削減されます：
- 反応の薄い企業への大量メール
- 成果につながらない提案書の作成
- 興味の薄い相手への無駄な打ち合わせ調整
- 優先度の低い顧客フォロー
業務量そのものが減ることで、社員の負担は自然と軽くなります。
毎日感じていた「忙しいのに成果が出ない」というストレスから解放される人も多いのが特徴です。
② 社内コミュニケーションが減り、情報共有がラクになる
業務効率化を阻む大きな要因のひとつが、社内の情報共有や調整の多さ。
営業・マーケティング・カスタマーサクセスなど複数部署が関わると、情報の取りこぼし、重複対応、同じ説明の繰り返しなどが起こりがちです。
ABMでは、ターゲット企業ごとの情報を一元管理し、部署間で共通認識を持つことで、次のような効率化が実現します：
- 「どこまで話が進んでいる？」という確認が不要になる
- メール転送や引き継ぎが減り、ムダなコミュニケーションが減る
- 部署間の“ズレ”が減り、ストレスの原因が解消される
社内調整がスムーズになるだけで、日々の時間のゆとりが生まれるのです。
③ “成功パターン”が蓄積され、仕事がラクになる
ABMでは、企業ごとの行動ログ（サイト閲覧、資料DL、メール開封など）が蓄積され、
「どのタイミングで」「どんな提案が刺さるか」が見えるようになります。
これにより、
- 新人でも成果を出しやすくなる
- ベテランのノウハウが組織の資産になる
- 資料作成や提案内容を“ゼロから”考える時間が減る
つまり、ABMは「仕事の型を作り、業務の再現性を高める」働き方なのです。
これにより、仕事が属人化せず、誰でも効率よく成果を出せる環境づくりが可能になります。
ABM導入のステップ：今の会社でも実践できる働き方改革
ABMは大企業だけの話ではありません。小さいチームでも十分に導入できます。
以下のステップを踏むことで、業務効率化を実現することができます。
- ① 狙う企業（ターゲット）を明確に決める
「誰に対して働くのか」がはっきりすると業務が減る。 - ② 情報と業務の“優先順位”を決める
重要な顧客・重要な案件だけに力を集中。 - ③ 社内で共通ルールをつくる
情報共有の方法、記録の仕方、責任範囲などを統一する。 - ④ 小さく始めて、改善を繰り返す
いきなり大規模にやらず、少数からスタートすると成功しやすい。
まとめ：ABMは業務効率化の“武器”になる
ABMはマーケティング手法として語られることが多いけれど、その本質は“働き方をラクにする仕組み”です。
ムダな業務をなくし、優先企業に集中し、情報共有のストレスを減らし、成功パターンを仕組み化する。
こうした変化は、忙しい現場の負担を減らし、社員一人ひとりが「本当にやるべき仕事」に集中できる環境を生み出します。
業務効率化に悩んでいる職場こそ、ABMを取り入れる価値があります。
あなたの会社の働き方も、ABMによって大きく変わるかもしれません。